サガン鳥栖 2020年1月期決算で20億円の赤字とその後

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20億円の赤字のインパクト

びっくりしました。
「やっちまったけど、なんとかした」という印象です。サガン鳥栖の2019年度の決算ですが、20億円の赤字とのこと。これはJリーグ史上最大級なのではないでしょうか。2018年度の決算を見る限り、ダントツの債務超過となります。以前の投稿にてサガン鳥栖の財務諸表について眺めてみましたが、「サガンがとうとう飛ぶか」と思いました。今のJリーグにこの金額を支援する余力はないと見ているからです。

決算数値を見てみる

主に損益計算書しかチームHPに開示されていなかったので、損益計算書の数字のみとなりますが、確認します(損益計算書はの勘定科目はJリーグの開示資料に合わせアレンジしました)。
 2019年1月期2020年1月期変化率備考
営業収益4,2572,561-39.8%
 うち広告料収入2,296810-64.7%
 うち入場料収入67876012.1%
 うちJリーグ配分金358353-1.4%
 うちアカデミー関連収入9476-19.1%
 うち物販収入20127637.3%
 うちその他収入630283-55.1%指定管理受託収入含む
営業費用4,3933,669-16.5%
 うちチーム人件費2,6702,427-9.1%
 うち試合関連経費419412-1.7%
 うちトップチーム運営経費207今期分は他費用に包含
 うちアカデミー運営経費5145-11.8%
 うち物販関連費162今期分は他費用に包含
うち販売費および一般管理費884781-11.7%アカデミー人件費、本部人件費、Jリーグ関連費、一般管理費の合計
営業利益-136-1,898
経常利益-580-2,013
当期純利益(損失)-581-2,014
簡単にいうと、スポンサー脱退で売上がドカっと減った。これに尽きます。
営業収益は約40%減少。この営業収益25億円というのは2016年1月期の水準です。これまでコツコツ伸ばしてきた営業収益レベルが3年前に逆戻りです。その要因は広告料収入が6割以上減少したこと。実際、売上高が(営業収入が5%位しか減らなくても、費用を引いた営業利益や当期利益レベルになると、30%減、40%減のインパクトがあるのが通常です。そこからみると、営業収益の40%減少というのは、背筋が寒くなる思いです。
そして、人件費は前期比9.1%減少ですが、先ほど触れさせていただた2016年1月期と比べると約2倍となります。これでは真っ赤っ赤になるでしょう。
スポンサー脱退とは、DHCとサイゲームスだと思うのですが、これをつなぎ止められなかったことの責任は社長及び営業担当役員(もしいれば)に大いにあると思います。これまでの「赤字→増資」の経緯を繰り返したことを含めて責任はあるのではないでしょうか(確かに私もトーレスがプレーするのを楽しんでいましたけど、それはそれ。これはこれ)。
但し、増資として会社を飛ばさなかったのは、最低限の最低限の最低限は果たしたと申します。恐らくその辺りは、新しい株主が社長の適性を判断されるのだと思います。

どこが増資をしたのか

しかしながら、純資産を見ると「ん?プラス??」と気づきました。と、いうことは増資がなされたということです。次に気になるのが「どこが増資したのか?」ということです。考えられるのは地元系の企業かネット系の企業と見ています。
20億という金額をポンと出せる企業といえば、上場企業レベルのサイズだと思います。一応、佐賀の上場企業で検索してみると、以下の企業がわかりました。
<佐賀県の上場企業>
  • (株)オプティム(東証一部)
  • (株)戸上電機製作所(東証二部)
  • (株)ミズホメディー(東証二部)
  • アイ・ケイ・ケイ(株)(東証一部)
  • (株)佐賀銀行(東証一部)
  • 久光製薬(株)(東証一部)※地元であるなら本命でしょうか。

※その他、ブリジストン(株)(東証一部)本店は佐賀にありませんが、ひょっとしたらあってもおかしくありません。

しかしながら、個人的には今までのサガン鳥栖は東京から飛び道具のように大口スポンサーを引っ張ってきたので、都内のネット企業が増資元と予想します(あって大阪)。今の事業環境で影響なく稼げており、手持ち資金が厚い業態といえば、それしかないと見ています。大いに外す可能性がありますが、そうであればすみません。
但し、この20億円により、どこかの子会社になるでしょう(20億円を1社から出資という前提で)。
430日にサポーターミーティングが開催されるので恐らくその時の発表となるのではないでしょうか。すごく気になります。

目先に重要なこと

なお、サポーターミーティングでは、20億円の赤字の責任が問われるのではないかと思います。社長の進退も重要です。しかし、実はもう、その赤字の部分は資本の手当が済んでおり、過去の話です。とにかく今は、現金をいくら持っているか、これから再開まで生き残るための現金をどれだけかき集め、確保できるかの方が優先事項だと思います。

下部リーグでは事態がさらに先に進んでいる

経営体力が劣後する下部カテゴリーでは、さらに事態が先に進んでいます。
以前、チーム名変更の件で取り上げさせて頂いた、鈴鹿ポイントゲッターズにて、前稿で申し上げたような施策が選手と協議されているようです。
具体的には、以下を柱に話し合われているようです。

<経費削減案>

  • 役員報酬の一律50%カット
  • 選手報酬50%の返納(試合数半減に比例して50%減)
  • 選手報酬25%の返納(返納する50%を折半し、クラブが25%負担)
  • 選手から自主返納(返納額に関して、各選手に一任)
  • 宮崎、仙台等の遠征をバス移動に変更
  • ホームゲーム運営費を削減
  • 一身田寮と大池寮の廃止
  • フットサル場の撤退、事務所移転

<資金確保案>

  • 銀行等より借入して資金調達
  • クラウドファンディングで資金調達
  • ポイントサイトを活用し、スタッフ、選手、ファン全員で資金調達
  • 営業マンが更なる新規スポンサー獲得
HPにおいては、経営側と選手側のコメントが掲載されております。また、選手はそれでも再開のために自主トレを行なっている旨をTwitterで掲げ、サポーターが支援しているようですが、マジ頑張ってほしいという気持ちです。首都圏で試合があるときは見に行きたいです。
そして、サガン鳥栖も地元一体となってプロヴィンチャの星としてこの難局を乗り切ってほしいと願ってほしいと思います。

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