ACミラン:中国資本のキックアウトとBlue Skye

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ヤバい人 リ氏

リ氏はどうしてこのような経済条件で借り入れたのでしょうか。
リ氏は香港の市民権を持つ中国出身の投資家です。先程のWikipediaのリ氏に関する記事序文によると、リ氏は、「2016年にベルルスコーニ氏からACミランのオーナーの座を引き継いだことで、最初に注目を浴びたビジネスマンである。また、中国本土における株式市場の取引でも知られている」と記されています。
そこだけ読むと、「おお、そうか」となりますが、読み進めて行くと、それでは済みません。
元々、リ氏の父も含めた一家は、中国で農地に投資するというネズミ講式のファンド運営を行っていました。その件で、父と兄は2003年に逮捕されました。その後、リ一家は香港で新たに不動産業を営み、リ氏自身はそこで子会社のGMに就任します。事業では色々な揉め事が発生します。そのうち一つで売ったとする物件を買い戻すこととなり、当該会社はそのための融資で債務不履行を起こしました。
また、2017年にリ氏はグランドドラゴンインターナショナル社の会長であると名乗るも、同社から否定されています。2018年には、中国の地方裁判所から不誠実な債務者リストに掲載されました。更に、Hubei Jingjiu社からの借入に対しても債務不履行を起こしました。
ほぼ「反社」です。このような人物なので、お金をとりあえず集めることができれば後先を考えない人なのでしょう。
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Blue Skyeとは?

Blue Skyeという会社について初めて目にするのですが、Forbesの記事に詳細の記載があります。
Blue Skye investment groupとは、ACミランの役員にも就任しているサルバトーレ・チェルキオーネとジャンルカ・ダヴァンツォが設立した会社です。Blue Skyeもプライベートエクイティファンドで、有名な投資先としては、ベネチアのハリーズバーを初め、世界中にポートフォリオを抱えているそうです。
二人の創業者は、ACミランの前CEOであり、ベルルスコーニの右腕とも言われるガリアーニとも仲が良かったとみられます。というのは、Blue Skyeの以前の親会社であるSOPAFにて3人とも役員として就任していたからです。なお、Blue Skye株をSOPAFから承継したDB Zwirn社社長Zwirn氏は、Arena Investorsというファンドを設立のうえ(DB Zwirn社は清算)、リ氏への融資に参加し、ミラン株の一部を所有していると言われています。
イタリアのテレビ局RAI3の番組で、レポーターがチェルキオーネ、ダヴァンツォ、ガリアーニの関係を尋ねたところ、無言だったそうです。Blue Skyeはエリオットが早急に融資のストラクチャーを組むのに決定的な役割を果たしたとある弁護士はフォーブスに語ったそうです。Blue Skyeがエリオットにもたらしたものはスピードです。20日でストラクチャーと必要なビークルを用意し、融資のアレンジメントを行いました。そのポイントとしては、Blue Skyeは官僚機構や法務が整備され、税金が安いヨーロッパのM&Aの中心地であるルクセンブルクに所在し、エリオットがストラクチャーを組む際にもすぐに融資主体となる法人を用意しました。イタリアでこれを行った場合、もっと時間がかかったとみられます。
また、エリオットとBlue Skyeを繋げたのは、リ氏の弁護士であるリカルド・アゴスティネッリ氏によるものだそうです。アゴスティネッリ氏は過去の案件で、Blue Skye及びエリオットのそれぞれと仕事をしたことがあるそうです。恐らく、クライアントであるリ氏を支援するため、駆けずり回ったのでしょう。その結果、リ氏のACミランの株式は取り上げられてしまったのですが。
これらの経緯を見る限り、元々ベルルスコーニが仕組んだものと目するむきもあるようですが、リ氏がお金を工面できなかった流れの中で生まれた帰結だという印象です。
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経営陣の変更でチームの成績は改善したか

先程図示したように、ACミランの経営陣としていわゆるピカピカのキャリアの人となったわけですが、チームの成績がどうなのかおさらいしてみましょう。
最近のACミランの順位
なんとも言えません。今年は、これまでより良さそうですが、2021年5月16日時点で5位ナポリとの勝ち点差は2ですので終わってみないとなんとも言えません。もう少し長い期間を見て、経営陣入れ替えの効果、そしていわゆる金融系の人たちがクラブを率いた場合の事例として興味深いものになりそうです。

中国人投資家の保有チーム

中国人の投資先クラブ(2018年7月14日時点)
ちょっと古いですが、中国人投資家の投資先のクラブ2018年7月14日に示されています。元々、中国政府が海外送金に厳しい対応を取るようになった上、コロナ等の影響により資金の逆回転が進むとみられます。今後、これらのチームのお金の動きは注目して良いと思います。
ちなみに、KSV Roeselareはベルギーのチームですが、解散したようです。

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