RIZAPは今も湘南ベルマーレを支えられるのか

スポンサーリンク
スポンサーリンク

コロナウイルス 感染問題によるジム自粛

今般の新型コロナウイルスの感染に関する自粛対象のターゲットとなる業種の経営が懸念されています。
「そういえば湘南ベルマーレの親会社はRIZAPだったな」と思いだしました。RIZAPはそのターゲット業種の一つであるスポーツジムです。例の「ドゥンカドゥン」→「テーテレッテ」のあのコマーシャルの会社です。

スポンサーリンク

RIZAPは大丈夫か

RIZAPはここ数年、何でもかんでも企業を買収し焼け太りとなった結果、経営危機を招きました。 湘南ベルマーレはその「何でもかんでも買収期間」に買われた企業の一つです(その経緯にしっかりした考えや背景があったのか無かったのかは不明ですが)。

経営危機の経緯については、「ライザップ赤字転落、継続企業の前提に疑義…銀行筋、新規融資を控える動きか」に説明があります。 RIZAPは直近期の2019年3月期連結決算で「M&A(合併・買収)を行い子会社に組み入れた各社の業績が振るわず、で193億円の最終赤字(18年3月期は90億円の黒字)に転落」しました。「当初は153億円の黒字を見込んでいたのだから、最終損益段階で346億円も下振れしたことにな」り、監査法人からは当期の決算について「継続企業の疑義」までつけられてしまいました。 そして、「プロ経営者」として名高く、創業者である瀬戸氏から招かれた松本晃COOも退任してしまいました。その経緯については「ライザップ、松本晃氏が半年で敵前逃亡した“蟻地獄”…数十社の不振子会社群に慄然」に詳しいです。

湘南にとってそのようなギクシャクした会社が親会社で大丈夫かということです。

以前、INDEXという会社があって、フランスのグルノーブルというチームを買収しました。そのグルノーブルは湘南の梅崎、鹿島の伊藤翔、横浜FCの松井、それから栃木の大黒などが所属しましたが、最終的にINDEXが華々しく倒産という形で散った過去の事例を思い浮かべました(今のグルノーブルはアマチュアチームになったとのこと)。


そこで、この「RIZAPは大丈夫か?湘南はまた身売りか?」と気になりました。昨年のチョウ監督の問題を乗り越えてまた一難なのか、と気になって今のRIZAPを調べてみました。

スポンサーリンク

RIZAPの経営再建

一時期追い詰められたRIZAPですが、現在は構造改革が一定の成果を生み出しているようです。下表が直近の四半期決算ですが、買収したものの不採算の子会社を売却し、前年と比べて大幅に改善しています。

しかしながら、第3四半期ベースの「親会社所有者帰属四半期利益」は4億8,600万円の赤字と、残りの4ヵ月でキッチリ稼がないと期末の段階で最終的に利益として手残りが残るか、まだわからない状況です。

通常であれば、営業利益、税引前利益、そして親会社所有者帰属四半期利益など、どれも75%の進捗は欲しいですが、改革道半ばというところ。しかし、改善が継続すればなんとかRIZAPは蘇りそうな雰囲気です。

また、損益計算書ベースだけでなく、CF計算書及び貸借対照表ベースでも体質改善は続いています。決算資料によると、現金は259億円あり、2019年5月にはコミットメントラインも新たに設定できたことから、資金繰りは大丈夫そうな気がします(定量的に確認できていませんが。関連会社が多い上、関連会社を売ったり買ったりしているので、有価証券報告書や決算短信の情報では判断できません)。

ところが、V字回復の雰囲気を見せているRIZAPは、RIZAPゴルフの不振とコロナ問題でつまづいている模様です(ライザップ、新型肺炎で「経営再建」に漂う暗雲〜 本業「ボディメイク」を脅かすゴルフの赤字〜)。

それでは、「じゃあRIZAPはダメなのか?湘南はどうなるのか?」というと、正直なところわかりません。状況が厳しくてもRIZAPは湘南を親会社として支え続ける(あるいは支え続けられる)かもしれないですし、現金が欲しくて売ってしまうかも知れない、どっちも否定できません。恐らく、RIZAPにとって湘南ベルマーレは他の子会社と比べ、本業と連携していますのでRIZAPとしては、このまま保有し続けたいはずです(実際、トレーニングのノウハウをベルマーレで実証出来ますし、ベルマーレとの関係をテコに神奈川県の自治体とパイプを作れている部分もあるようです)。今は先を読めない事業環境ですので、出来ることは「RIZAP、苦境を耐えてくれ」とエールを送るしかないでしょう。

三栄建築設計とは

ちょっと心配なRIZAPですが、それとは別に湘南には頼もしい支援者がいます。

胸スポンサーの「三栄建築設計」です。同社はRIZAPが関与する2018年4月までは筆頭株主でした。

株式会社湘南ベルマーレの株式は「メルディアRIZAP湘南スポーツパートナーズ」という会社が51%所有しているのですが、その「メルディアRIZAP湘南スポーツパートナーズ」の株主構成は三栄建築設計:50.05%、RIZAP グループ株式会社:49.95%です。 しかしながら、当該合弁会社は RIZAP グループとの株主間契約を結び、湘南ベルマーレは三栄建築設計が筆頭株主ではあるものの、RIZAP グループの連結子会社となっています。つまり、三栄建築設計は引き続きスポンサーとしてだけではなく、株主としても関与しているのです。

三栄建築設計はマリノスにも以前は広告を出していたので、どんな会社かなと思って調べてみました。

上場企業として決算が開示されているのですが 、三栄建築設計は立派な成長企業です。売上高は1,000億円以上あり、2019年8月期末は現金も250億円以上ありました。 東証1部上場です。湘南のスポンサー料は2018年度で総額で12億円少しですが、その全額すら余裕で払う体力はあるでしょう(営業CFはマイナスであるものの業容拡大による運転資金の増加のためである模様です)。 RIZAPも同じくらいの現金水準ですが、その中で借入返済などの資金繰りに四苦八苦するRIZAPと状況は違います。

但し、三栄建築設計が関与しているから湘南は大丈夫かというと、三栄に「支援する」という経営判断があることが前提になります。そう思って検索してみると、以下のような同社のプレスリリースを見つけました。以下、一部抜粋します(引用の「厳しい状況」とは昨年のチョウ監督の退任を指します)。

「現在、チームは厳しい状態ではありますが、本件を節目として、再び「湘南スタイル」で勝ち星を積み重ねて頂けると信じております。湘南ベルマーレを応援しておりますサポーターの皆様、関係各所の皆様とともに、再び「感動を与える湘南ベルマーレ」を信じてチームを支えてまいる所存でございますので、引き続きチーム、そして監督を信じて応援いただけます様、よろしくお願いいたします。」

湘南は大丈夫だと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました