浦和レッズの財務的規模という強みは薄れつつある

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営業収益は首位陥落

現時点で最新データである2018年度のJリーグクラブ決算の最大のトピックスは、浦和レッズが営業収益トップから陥落したことです。1位はもちろん神戸です。

しかしながら、その順位をしげしげと見つめると気になるのはそれだけではありません。

<2018年度J1リーグ営業収益ランキング(単位:百万円)>

順位チーム営業収益スポンサー収入入場料収入Jリーグ配分金アカデミー関連収入物販収入その他収入
1神戸9,6666,2088403672493881,614
2浦和7,5493,2261,923389119541,046
3鹿島7,3302,156978 8062908392,261
4川崎F6,0741,478975  1,4161968691,140
5名古屋5,4913,345936  363179412256
6G大阪5,1591,8451,1523911964581,117
7横浜FM5,1382,0331,127371360571676
8FC東京4,8441,988947382420287820

鹿島アントラーズが浦和を猛追しています。

2010年代前半、ACLでは、Jリーグのチームは資金力の勝る中国チームに押され成績も芳しくなかったことから、DAZNマネーでテコ入れした賞金に傾斜をつけ、ビッグクラブを育て、リーグの国際的な競争力をつける、というのがここ最近のJリーグの方針でした。

ところが、DAZNとJリーグが提携をし、その取り組みが始まって以降の浦和の順位は7位、5位、14位とピリッとしません。

私は、Jリーグのその方針を知り、「これからはまた浦和がアジアや海外で活躍する」と、ポンテやワシントンやエメルソンのような手のつけられない選手が暴れ回っていた、手の付けられない頃の浦和に想いを馳せていたものの、ここしばらくの補強は手堅いものが続いている印象です。「お金が余ってるんじゃないの?ケチってるんじゃないの?」と、いうことで主要チームのチーム人件費をと比較してみます。

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人件費は3位

チーム人件費は鹿島に抜かれています。名古屋とも3億円の差。川崎からも背中が見えています。
そうです。浦和は財務的な側面では、もうJリーグでトップクラブの位置にいません。

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営業収益の内訳を見てみる

何がポイントなのかというと、営業収益の内訳を見ると良いと思います。
下図はJリーグ主要チームの営業収益の内訳です。

浦和の特徴といえば、入場料収入の比率が多いということ。収容人数の大きい
埼玉スタジアムをホームグラウンドとしているからです。

営業収益の挽回のために

どうしたらいいのかというヒントは数字で確認してみると良いと思います。

<2018年度主要チーム 営業収益内訳 (単位:百万円)>

 スポンサー収入入場料収入Jリーグ配分金アカデミー関連収入物販収入その他収入
神戸6,2088403672493881,614
浦和3,2261,923389119541,046
鹿島2,1569788062908392,261
川崎F1,4789751,4161968691,140
名古屋3,345936363179412256
G大阪1,8451,1523911964581,117
横浜FM2,0331,127371360571676
FC東京1,988947382420287820

浦和の入場料収入は他のチームより圧倒的に多い(スタジアムにファンを呼び込めている)割りに、物販収入が少ないのではないかと思います。
例えば、埼玉スタジアムの収容人数や入場料からみるに、鹿島や川崎と同水準ということはないのではないでしょうか。うまくやればあと5億〜10億円は稼げるはずです。ファンショップや通販などのチャネルや商品戦略が足りない可能性があります。

「その他収入」については、リーグ配分金やその他の収入(カップ戦賞金や移籍金)で、好成績を収めることが前提になってきます。仮にリーグとACLで好成績を収めれば、更に5〜10億円が稼げるはずです。ビッグクラブであるのであれば、チームを維持するためにも勝ち続けることが大前提になります。

ここ最近は、監督の交代が相次いだり、移籍市場で思うような補強ができなかったりどうも浦和はパッとしません。チームは3か年計画を策定し、チームを作り直すとのこと。現実的といえば現実的ですが、なんだか小さくまとまりかけている気がします。Jリーグでもっと存在感を発揮できるはずです。

日本を代表するクラブとして、スケールの大きな夢のあるニュースを期待しています。

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