FCバルセロナが試算したコロナ禍の影響

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2020/21シーズンの見通し

FCバルセロナ 2020/21シーズン損益見通し
営業収入 107,640百万円
営業費用 -103,480百万円
営業利益 4,160百万円
純利益 130百万円
税引後利益 130百万円

これを受けて、バルセロナはアニュアルレポートにて、今走っている2020/21シーズンの予算を開示しています。この予算によると営業収入は1,076億円、当期利益は1.3億円としています。1.3億円というのがミソです。

原典には1.3億円ではなく、1百万円ユーロと記載しており、要は厳しい環境を踏まえ、なんとかトントンまたは黒字を目指しますという意味です。先述の通り、下手をすると債務超過も見えるバルセロナですが、実際にはお金が足りなくなれば手を差し伸べるところはいくらでもあるでしょう。但し、仮に外部からの増資を選択することになれば、バルセロナ独特の運営体制は変わる可能性があります。

2020/21シーズン収入の見通し

FCバルセロナ収入(営業収益の推移)

2020/21シーズンは前期比3.5%減の1,074億円を見込んでいます。思ったより減収幅が少ないですね。

入場料収入は前期比65%減の73億円を見込んでいます。本レポート作成時の想定では、2月まで無観客、5月までに定員の25%、最後の2ヶ月が定員の50%を収容する想定です。これは少し予定より落ち込みそうです。

放映権収入等は前期比21%増加の393億円を見込んでいます。延期されたリーガと、準決勝に進出したCLの放映権料の持ち越し分が増収要因となります。

販売分野は494億円と28%の増収を計画しています。スポンサー契約と商品販売は維持できているとのこと。しかしながら、旅行客向けのグッズ販売が見込みにくいこと、そして親善試合が開催できない状況を見込んでいます。なお、販売分野における減収は、ここ数年取り組んできたデジタル資産の販売で帳消しにできると見込んでいます。色々批判されているバルセロナ経営陣ですが、その通りであれば大したものです。

2020/21シーズン費用の見通し

FCバルセロナ 支出(営業費用の推移)

クラブはコスト削減にかなりのコミットを示しています。2020/21シーズンは営業費用を435億円と前期比17%減を計画しています。

第一に、人件費の削減に「多大な努力をする」と強調しています。高額選手の放出、そして給料支払の繰延により、人件費をクラブの収入の水準に合わせるなどすることにより、選手の人件費は436億円と前期比28%の減少を見込んでいます。

人件費(その他)及び管理費については、これまでと同様、徹底的な節約をするとし、それぞれ、65億円(前期比2%減)及び224億円(前期比5%減)を見込んでいます。

その他の費用は、選手移籍の減少により減るとのことで、88億円で前期比21%減少する見通しです。

本パートは、クラブとして高額選手は放出する、そして獲らない方針をチームとして明示しています。マーケットの潮流の観点から一番重要なパートかもしれません。

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最後に

前にも書いたことがありますが、アニュアルレポートは財務的な内容以外にもチームの取り組みが色々書いてあります。

繰り返しになりますが、そもそもアニュアルレポートとは、株主などの関係先に配布するものです。持株会やクラウドファンディング等、世間に資金を募っているチームは少なくとも作成してもいいのではないかと思っています。

Jリーグでも開示するチームが出てくることを期待しています。

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