J3降格も地元と一体で力を蓄えたギラヴァンツ北九州

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実は北九州が、Jリーグで上位に食い込むもの

北九州の損益計算書を見て気になったことがあります。アカデミー関連収入が伸びていることです。

実は、この規模と黒字が出ていること、大したものです。

まず、Jリーグの2018年度(J1からJ3まで含めます)のアカデミー関連収入を見てみましょう。

Jリーグチーム別アカデミー関連収入及びセグメント利益(2018)(単位:百万円)
アカデミー関連収入 アカデミーセグメント利益
1 FC東京 420 1 横浜FM 155
2 横浜FM 360 2 神戸 144
3 清水 319 3 川崎F 129
4 鹿島 290 4 鹿島 121
5 神戸 249 5 FC東京 117
6 磐田 222 6 大宮 111
7 川崎F 196 7 東京V 84
8 G大阪 196 8 福岡 79
9 新潟 191 9 岡山 76
10 大宮 189 10 清水 57
11 名古屋 179 11 新潟 54
12 福岡 177 12 沼津 54
13 東京V 174 13 北九州 49
14 京都 133 14 磐田 43
15 千葉 114 15 鳥栖 43
16 北九州 105 16 YS横浜 37
17 岡山 103 17 富山 28
18 湘南 95 18 水戸 22
19 鳥栖 94 19 名古屋 21
20 YS横浜 84 20 琉球 20
21 広島 82 21 栃木 19
22 仙台 78 22 鳥取 17
23 栃木 72 23 愛媛 16
24 横浜FC 72 24 金沢 15
25 愛媛 71 25 岐阜 15
26 徳島 65 26 讃岐 15
27 沼津 59 27 福島 14
28 金沢 58 28 岩手 13
29 琉球 57 29 秋田 13
30 富山 53 30 横浜FC 10
31 讃岐 53 31 京都 10
32 水戸 50 32 G大阪 3
33 岐阜 48 33 徳島 2
34 秋田 47 34 千葉 -1
35 鳥取 43 35 長野 -2
36 大分 39 36 松本 -4
37 岩手 38 37 藤枝 -4
38 福島 32 38 町田 -8
39 長崎 31 39 群馬 -8
40 長野 26 40 熊本 -11
41 松本 26 41 -12
42 25 42 甲府 -14
43 札幌 25 43 仙台 -18
44 熊本 22 44 大分 -27
45 甲府 19 45 長崎 -35
46 山口 17 46 湘南 -46
47 浦和 11 47 山口 -54
48 藤枝 4 48 広島 -55
49 町田 0 49 浦和 -92
50 群馬 0 50 札幌 -143
(除外) (除外)
山形 0 山形 0
相模原 0 相模原 0
C大阪 0 C大阪 0
鹿児島 0 鹿児島 0

規模の点でJ1勢に混じって北九州がいいところにいます。また、規模が大きくても利益が出せるとは限りませんが、北九州はしっかり利益を出しているグループです(福岡、沼津、YS横浜あたりも頑張っています)。現在の粗利の規模でも、チーム損益に一定の貢献をしています。鳥栖などは育成が花開きつつあると思いますが、今触れさせて頂いたチームと共に、ギラヴァンツアカデミー育ちの選手が躍動する日も遠くは無さそうです。また、育成機能の拡張はJリーグの望む運営方針にも沿っていますので、将来的に配分金の面でも恩恵を受けることがありそうです。

なお、本表で数字が0だったチームは決してアカデミー機能がないのではなく、損益計算書上の整理の問題だと思います。しかし、ここでは損益計算書上の数字に絞って頭の体操としてお話しさせていただいています(チームによっては費用の方も実はアカデミーに関して発生している費用を「アカデミー運営経費」以外の項目に含まれているという可能性もあります。)。

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市民クラブとしての持株会

追って説明とさせていただいた持株会について少し触れさせて頂きます。

持株会要項概要

拠出金額

15万円から最高1995万円まで

入会資格→ココ重要

会員としてふさわしい品位と社会的信用のある方

暴力団、暴力団員、暴力団関係企業・団体またはその関係者、その他反社会勢力(以下「暴力団等反社会勢力」という。)に属していないこと。

入会特典
  • 持株会会員証
  • 毎年ホームゲームのチケット進呈(1口につきA席2枚)
  • ホームゲームでの購入チケット割引(当日券を前売価格で購入可)
持株会の仕組み

資金は取りまとめの上、チームに出資。会員資格を取得できる。

運営費、管理費

入会時に事務費が発生。持株会役員は無報酬。

入会資格

個人・法人・団体で可能

株式名義

「ギラヴァンツ北九州持株会」となる。

配当金

会社からの配当金は、持株会が一括して受領。そして会員の持分に応じて新たに株式を購入。会員は直接配当金を受領することはなく、持株会内で株式の持分が増える。

株主総会への出席や議決権の行使の可否

理事長が一括して行使。

拠出金の返還

出来ない。

 

私はこれはとても良い仕組みだと思います。あぶく銭があれば入ってみたいです。

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最後に

今シーズンのJリーグ再開後、ミクスタがどのように盛り上がるか、そして昇格請負人の小林監督の手腕が見ものです。

2020シーズンは恐らく営業収益1,000百万円規模の運営が予想されます。これは、J2リーグ中下位のレベルであると推察します。今後、J1昇格を狙う場合、営業収益の規模を2倍にすることが目標となるでしょう。ベンチマークはご近所福岡でしょうか。

このため、スポンサーへのアプローチ、入場者のさらなる増加、育成(移籍金含む)、グッズ販売など、これまでと異なった戦略が求められます。地元財界、そして自治体とも連携した北九州は注目したいチームです。

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