2021年1月期決算
アビスパ福岡2021年1月期損益計算書(2020年1月期との比較)
以前、記事を投稿させて頂いたことのあるアビスパ福岡から、決算とDMM.comからの取締役派遣が公表されました。速報として記事を投稿させていただきます。
営業収益は1,538百万円と前期比2%の減少となりました。クラブから詳しい説明はありませんが、コロナ禍にもかかわらず小幅な売上減少に留まったのは、J1昇格による配分金増と広告収入の増加によるものなのかなと思っています。
例えばとして、仙台が債務超過の見通しと公表した際、仙台の減収に倣ってアビスパ福岡の営業収益の前期比減収額を464百万円と私が試算しました(J2での前提)。
減収幅が2%減までどう留まったかですが、詳細については、5月末から8月あたりに発表されるJリーグからのより詳しい数値の公表を待ちましょう。
債務超過→DMM増資で債務超過解消か
結果、当期純損失は287百万円の赤字でした。
前期の純資産は69百万円でしたので、218百万円の債務超過となります。
コロナ禍の影響があるので、赤字はやむを得ないと思います。実際は、この債務超過からどう立ち直るかです。
Jリーグの制度として、3期連続の赤字+3期目に債務超過となった場合、クラブライセンスが取り消されます。しかしながら、猶予期間を設定しコロナ禍の影響を勘案した弾力的な措置が取られることになっています(先程とと同じリンクです)。この猶予期間に債務超過を何とかしてほしいということです。
同様の状況のクラブは多いと見込まれます。親会社の支援がないクラブの間で、お金を出せる余裕があり、出資する意思がある企業の取り合いになります。
こういうのは、早くバンザイしたところのほうが早めに動けるため、救済策がまとまりやすいです。歳がばれますが、20年と少し前の金融危機の際、早く潰れた金融機関の社員のほうが再就職が早く決まりました。本件は早くバンザイしたというより、冨安の移籍によって生まれたコンタクトなのかもしれませんが、とにかく素早く動き解決することが大事です。
アビスパ福岡は数少ない椅子取りゲームでDMMという椅子を取ることが出来ました。詳細は発表されていませんが、DMM.comに対する第三者割当増資により、債務超過を解消したという経緯なのではないかと推察します。ご存じの通り、DMM.comはシントトロイデンを保有しているので、海外へのステップアップを視野に入れる若手選手の獲得に優位に働くことが見込まれます。確か、那須さんのYoutubeにて、大久保嘉人選手が当初福岡に入団が決まっていたと話していたと思います。もし、シントトロイデンとの関係がその時あれば、大久保選手の入団先は福岡になっていたかもしれません。
九州には有力な選手を輩出するインフラがあります。その中で、大分や鳥栖が若手の育成などで一歩も二歩もリードしていますが、バトルオブ九州がますます面白くなりそうです(北九州も応援しています!)。
アパマンも余裕はなかったと推察
もちろん、DMM.comの資本参加は良い展開です。
しかし、これまでの大株主であったシステムソフト(アパマンホールディングス子会社)はどうなのでしょうか。
アパマン・ホールディングスの決算は良くありませんでした。直近期の通期決算である2020年9月期は、(親会社株主に帰属する)当期利益こそ166百万円の黒字だったものの、法人税調整額という特殊な要因(項目)にて774百万円のプラスが出たことが最大の要因でした。税引前利益では626百万円の赤字でしたので、実質赤字です。要因はやはりコロナです。厳しい経済環境のなかで、事業に直接影響のないことに億単位のお金を出すのがしんどかったと見ています。
株主にも怒られますし、キャッシュフロー計算書を見る限り、金融機関から長期借入金の借り換えも行ったようなので、金融機関からの目もあったのかもしれません。
経営陣
過去記事の採点
前提
勘定科目 | 想定 | 備考 |
スポンサー収入 | 前期の85% | ベガルタ仙台の見通し前期比84%を参考 |
入場料収入 | 前期の25% | ベガルタ仙台の見通し前期比24%を参考 |
Jリーグ配分金 | 前期数値横置き | リーグからの前期並みの支払いがあると見做した |
アカデミー関連収入 | 前期の50% | ざっくりで仮置き |
物販収入 | 前期の50% | ざっくりで仮置き |
その他収入 | 前期の50% | ざっくりで仮置き |
営業費用 | 前期の90% | 一定のコスト削減を実施と想定。 |
決算見通しの比較
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