2021シーズン 全Jクラブ決算ランキング 〜2〜

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今回は費用と自己資本比率がメインテーマ

前回投稿を2021決算ランキングをの①として②の投稿を速やかに行う予定でしたが、投稿までに時間を要したことを深くお詫び申し上げます。

前回投稿は主に収益面のランキングを作成いたしました。今回は費用及び貸借対照表を眺めてみたいと思います。とは言え、費用に関しては人件費が大きな比率を占めることからトピックが限定されること、及び貸借対照表の勘定科目については細かい内容が開示されていないため、ちょっと数字をこねくり回しながら見ていきたいと思います。

なお、本投稿は2回に別れており、まだ読んでいない方は「2021シーズン 全Jクラブ決算ランキング 〜1〜」も合わせてお願いします。

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人件費ランキング

早速、費用における最大のトピックである人件費のランキングを見ていきましょう。

人件費ランキング

2021シーズンの実績でチーム人件費はJ1で58%、J2で43%、J3で38%となります。
人件費ランキングのトップは皆さんの予想通り神戸です。前シーズンは2位浦和、3位川崎と続いていましたが、2位川崎、3位柏、4位浦和と続きました。チームの好成績で収益面で伸びつつある川崎が2位につけているのは違和感がありませんが、柏の大盤振る舞いが目立ちます。当該シーズン15位という成績を考慮すると経営陣はかなり叩かれたことでしょう。また、今動いてるのだと思いますが、今シーズンオフは所属選手がかなり動くのではないでしょうか。

個人的には横浜FCが17位につけているのは興味深いです。J2と行ったり来たりしながら、J1カテゴリを維持をする財務的な体力を身に着けつつあるのかなという印象です。
J2においては、長崎はJ1復帰の意欲を感じます。京都は稲森京セラ会長が亡くなられたあと、どれほど京セラのバックアップを受けられるかは注視する必要があり、今後に注目です。
J3はJ2に昇格した岩手はさておき、岐阜と長野は人件費を見る限り昇格という結果を出さなければならない水準のお金は確保していると言えるでしょう。裏を返せば、結果を出さないとスポンサー離れの心配をすることになるかもしれません。

Jクラブの競技成績と人件費の相関分析

 

(出所:Jリーグ)

ちょっと面白いデータをご紹介させて下さい。上図はJクラブの成績と人件費の相関分析です。J1の相関係数が0.78、J2では0.87、J3では0.58です。この数値が1.00に近ければ近いほど相関関係が強いということになります。感覚的にJ2の相関が強く、J3では低いというのは肌感覚として違和感はありません。J3のチームはカテゴリ内のビッグクラブではないクラブが勝ち抜くことは珍しくないイメージがあります。例えばかつての山口や秋田などです。J2ではこれはこれというのはないのですが、なんとなくそんなイメージがあります。勝手な意見なのですが、これはJ2であればチーム数が多いため偶然の要素が低下すること、J3はかつてはU23のチームが入っていたり、JFLというアマチュアから昇格してきたクラブがあったり、リーグとして発展途上の要素が強くばらつきが大きいことがあるのではないかと思います。

今後は各カテゴリ20チームずつになるということもありますので、今後も同数値の差は縮まっていくのではと思っています。

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その他費用について

その他の費用項目では、試合関連経費、トップチーム運営経費、アカデミー運営経費等々あるのですが、人件費以外は費用だけ見ても面白くないので、試合関連経費は入場料収入から差し引いて「試合関連粗利」、アカデミー関連費用はアカデミー関連収入とセットで「アカデミー関連粗利」、物販関連費用は物販収入とセットで「物販関連粗利」としてまとめました。なお、これは私独自の紐付けで、収益と費用の対応が完全かどうかは分かりません。

試合関連粗利ランキング

「試合関連粗利」について気にしていたポイントは①利益に貢献するほどの売上をあげられているか、②大箱や新スタジアムのクラブはスタジアム使用料等で赤字になっていないか、ということでした。

①については概ね表の右半分のクラブが該当すると言っていいのではないでしょうか。②については横浜FM、札幌、北九州などのクラブかなと思います。懸念が当てはまっているのはG大阪です。G大阪については契約の見直しや更なる集客が期待されます。

アカデミー関連粗利ランキング

アカデミー関連粗利については、一つの側面として育成の成否を見ることができるからです。粗利が出ているということは充分なアカデミー生を集められているということでもあります。

ただ、ここで注意しなければならないのは、アカデミー等(詳細不明。クラブによってはアカデミー以外の比率が結構高いところもありそうです)を別法人にしているクラブがありまして、参考程度に見てください。

◆別法人にて売上計上のクラブ(カッコ内は売上)

札幌(331百万円)、鹿島(89百万円)、浦和(262百万円)、横浜FM(786百万円)、横浜FC(170百万円)、湘南(455百万円)、C大阪(1,304百万円)、徳島(40百万円)、秋田(3百万円)、山形(205百万円)、水戸(30百万円)、群馬(73百万円)、東京V(51百万円)、町田(100百万円)、相模原(70百万円)、甲府(43百万円)、松本(120百万円)、新潟(87百万円)、金沢(47百万円)、岡山(0百万円)、山口(96百万円)、八戸(38百万円)、福島(12百万円)、YS横浜(125百万円)、沼津(171百万円)、讃岐(11百万円)、今治(0百万円)、熊本(68百万円)、鹿児島(130百万円)。

物販関連粗利ランキング

物販関連で利益を得ることは重要だと考えています。というのは欧州クラブとの比較における課題では、放映権や物販の収入を上げていくことが重要だと思うからです。現時点では入場料収入を取り戻すことが重要ですが、入場料収入についてはスタジアムのキャパという上限があるためです。

皆様のご贔屓のクラブの数値をご確認ください。

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