アビスパ福岡2023年1月期損益計算書
アビスパ福岡2023年1月期損益計算書
金額 | 構成比 | 金額 | 構成比 | 前期比 | |
売上高 | 2,132 | 100% | 2,829 | 100% | 33% |
売上原価 | 2,407 | 113% | 2,533 | 90% | 5% |
売上総利益 | -275 | -13% | 296 | 10% | 黒字転換 |
販管費 | 207 | 10% | 282 | 10% | |
営業損益 | -482 | -23% | 14 | 0% | 黒字転換 |
経常損益 | -502 | -24% | 16 | 1% | 黒字転換 |
当期純損失 | -505 | -24% | -1 | 0% | 504百万円赤字減少 |
(出所:クラブHPから当ブログ作成)
この結果2023年1月期末の純資産は-333百万円となりました。前期末より債務超過額は22百万円減少しました。1百万円の純損失の計上にもかかわらず債務超過額が縮小したのは、エイジェック社による増資によるものであると推察しています。
営業収入(売上高)
2023年1月期前期比営業収入内訳
2021実績 | 2022(実績) | ||||
金額 | 構成比 | 金額 | 構成比 | 前期比 | |
広告 | 813 | 38% | 1,243 | 44% | 53% |
入場料 | 313 | 15% | 480 | 17% | 53% |
グッズ | 172 | 8% | 174 | 6% | 1% |
配分金 | 409 | 19% | 424 | 15% | 4% |
スクール | 130 | 6% | 142 | 5% | 9% |
アカデミー | 96 | 5% | 53 | 2% | -45% |
その他 | 199 | 9% | 313 | 11% | 57% |
合計 | 2,132 | 100% | 2,829 | 100% | 33% |
(出所:クラブ決算説明動画)
広告収入は2023年1月期は1,243百万円と前期比53%増加し、増収に大きく寄与しました。広告収入確保のため、クラブとしては1日三件訪問(→年間1000件以上)に担当が取り組んでいます。小口な広告では5万円から出稿できます。それをきっかけに団体チケットやグッズの購入につなげたり、LEDなどの追加の広告出稿に取り組んでいます。売上を重視しつつ、訪問回数をKPIとして取り組んでいます。
(出所:クラブ決算説明動画)
入場料収入についても480百万円と前期比53%増加と大幅に増加しました。
(出所:クラブ決算説明動画)
これは先述の通り入場料値上げによるものが大きいです。川森会長は入場料についての考え方を次の通り説明しています。
年間入場者は2006年が一番多く、2番目が2016年シーズンになります。当期の入場者数は史上13番目ではあるものの、売上高は過去最高となりました。クラブは2020シーズン以降無料チケットを廃止しています。かつて、2016の後のJ2降格後も無料券の配布を増やしたものの、観客数は伸び悩み、街中の店舗に無料券が置いてある状況だったそうです。加えて、当時の陸上競技場での試合開催も観客動員伸び悩みの要因であると考えています。
なお、2022シーズンの5月時点で1試合あたり平均入場者数が5,830名だったのが、2023シーズンの5月時点で7,229名(前期比29.3%増加)となっているそうです。無料券の廃止や値上げは受け入れられているものと考えられます。
(出所:クラブ決算説明動画)
チケット単価については、2017年に最安値の907円となったものの、上表の通り上昇し、2023年1月期2023年1月期には3,372円となりアビスパ福岡の入場料収入を押し上げました。川森会長はこれについてサポーターの反応も意識し追加説明を行っており、鳥栖との比較として後述します。
(出所:クラブ決算説明動画)
グッズ販売については174百万円と前期比1%増加となりました。増加幅については小幅にとどまるものの過去最高の売上金額となりました。
(出所:クラブ決算説明動画)
サポーターより、「購入するユニフォームがどれくらいクラブに寄与しているのか?」という質問がよく出ることからその売上高も示されました。グッズ販売額174百万円のうち半分弱がユニフォームの売上であるということがわかります。
ユニフォームについては、シミュレーションをして販売した結果、ここしばらくは毎年完売しており、期末の値下げ等をすることも考えていないそうです。一方でサイズ別の品切れ状況を課題として言及しています。
なお、クラブとしてユニフォームはオーセンティックユニフォームを取り扱い、レプリカユニフォームは販売しない方針だそうです。低価格、安価なものについてはベーシックTシャツを販売するのが基本的な考えとのことです。
2023年1月期営業収入内訳予実比較(単位:百万円)
2023年1月期計画 | 2023年1月期実績 | ||||
金額 | 構成比 | 金額 | 構成比 | 計画比 | |
広告 | 1,288 | 46% | 1,243 | 44% | -3% |
入場料 | 470 | 17% | 480 | 17% | 2% |
グッズ | 182 | 6% | 174 | 6% | -4% |
配分金 | 406 | 14% | 424 | 15% | 4% |
スクール | 149 | 5% | 142 | 5% | -5% |
アカデミー | 58 | 2% | 53 | 2% | -9% |
その他 | 257 | 9% | 313 | 11% | 22% |
合計 | 2,810 | 100% | 2,829 | 100% | 1% |
営業収益2024年1月期計画内訳
2023年1月期(実績) | 2024年1月期(計画) | ||||
金額 | 構成比 | 金額 | 構成比 | 前期比 | |
広告 | 1,243 | 44% | 1,146 | 39% | -8% |
入場料 | 480 | 17% | 530 | 18% | 10% |
グッズ | 174 | 6% | 206 | 7% | 18% |
配分金 | 424 | 15% | 330 | 11% | -22% |
スクール | 142 | 5% | 157 | 5% | 11% |
アカデミー | 53 | 2% | 56 | 2% | 6% |
その他 | 313 | 11% | 487 | 17% | 56% |
合計 | 2,829 | 100% | 2,912 | 100% | 3% |
上表は今期2024年1月期の計画です。全体で営業収入は3%増加を見込んでいます。最大の割合を占める広告収入は8%減少することを見込んでいます。これは、事業環境としてスポンサーの広告出稿がシビアになっていることを感じているためです。今シーズンのユニフォームスポンサーについては、動画をアップした時点では成約に至っていません。クラブは来シーズンとセットで契約したい方針です。
入場料は来場者増加により530百万円と10%増加を見込んでいます。入場料の値上げ手法のとして、クラブはダイナミックプライシングを導入していますが、今までは全試合で行っていたものを、今走っているシーズンではポイントの試合でやる方針とのことです。来年についてはまだどうするかは決めていないそうです。
配分金についてはJリーグからの配分金減少の公表に合わせて減少予想としています。Jリーグは厳しい新型コロナウイルス蔓延時にも配分金を維持していましたので、リーグの原資が現象する中、ひと山過ぎたということで減額を行うのでしょう。
人件費
(出所:クラブ決算説明動画)
なお、今期も夏のウインドウを視野に入れて補強の予算は組んでいるものの、無理をせず条件が揃った際に獲得するイメージのようです。
当期純利益と債務超過解消についての見解
2020シーズンはコロナ禍とJ1定着の投資が重なり大きな損失が出ています。この結果、債務超過となりました。
(出所:クラブ決算説明動画)
クラブはJリーグのクラブライセンス財務基準に照らし、2023年1月末現在の債務超過を2025年1月期末には解消することを課題としています。川森会長によると、単年度では債務超過を解消することを想定していません。現在、入場料収入や広告料収入などに関し、堅めの利益計画を立てています。事業による利益の積み上げに加え、エイジェックの事例のように増資もにらみながら債務超過解消を目指す考えです。
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