前回投稿の「2022シーズン 全Jクラブ決算ランキング 〜1〜(営業収益・スポンサー収入)」の続きです。営業収益、スポンサー収入以外の収益のランキング、トップチーム人件費、並びに自己資本額及び自己資本比率のランキングを取りまとめています。
入場料収入
入場料収入ランキング(単位:百万円)
入場料収入増加率ランキング(単位:百万円)
(出所:Jリーグ開示資料より当ブログ作成)
上表に示す前期比の増加率でみると、別の文脈が見えてきます。例えば、岩手でみると、入場料収入が35百万円と48位に沈むものの、増加率でみれば4位です。
この増加率表全体でみれば、コロナからの回復と成績の良し悪しといった要因がない交ぜになった結果といえるでしょう。
Jリーグ配分金
Jリーグ配分金ランキング(単位:百万円)
(出所:Jリーグ開示資料より当ブログ作成)
Jリーグ配分金は以下のルールで分配されます。
2023年度のJリーグ配分金に関する規定は以下の通りです1:
– 競技成績に応じた結果配分金、ファン指標配分金、リーグ事業協力費、ACLサポート配分金、降格救済金などがある
– 2023年度からは、均等配分金の総額見直し、ファン指標配分金増額、リーグ事業協力費の対象にJ3クラブを追加するなどの変更がある
結果、ランキングとしてはJ1クラブ→J2クラブ→J3クラブときれいに色分けされることとなりました。
これらの数字はカテゴリを上下した場合、これくらい収支的なインパクトがあるという参考になるのかなと思います。なお、配分金原資の大きな割合を放映権料が占めることから、JリーグはDAZNでの有料視聴者獲得を大きなテーマとしています。このため、Jリーグ関連の販促メールが若干多いなと個人的には思っていますが、やむを得ないと思いました。
アカデミー関連収入
アカデミー関連収入ランキング(単位:百万円)
(出所:Jリーグ開示資料より当ブログ作成)
基本的に大都市のクラブが上位に並んでいます。カテゴリや順位を考慮すると清水(2位)、磐田(14位)、沼津(31位)などの静岡のクラブが目立っています。サッカーどころとしての静岡を感じます。藤枝(48位)については乗り遅れています。
2023シーズンでJ3に降格した大宮は7位、J2に降格した横浜FCは10位とリーグ戦で不振だった2チームも上位にランクインしています。もちろん大都市圏のチームなのでアカデミーの選手を集めやすかった背景はあると思いますが、降格の影響の有無やアカデミー出身選手の活躍について、長期的に見ていきたいところです。
1位以下の売上ゼロのクラブは別法人で運営しているため、アカデミー関連収入は損益計算書に含まれません。
女子チーム関連収入
女子チーム関連収入ランキング(単位:百万円)
(出所:Jリーグ開示資料より当ブログ作成)
物販収入
物販収入ランキング(単位:百万円)
(出所:Jリーグ開示資料より当ブログ作成)
上位にはいわゆるJ1ビッグクラブが並んでいます。そうした中、入場料収入でも存在感を見せる新潟の存在感が光ります。大分、山形も健闘しています。一方で柏などJ1でプレーするクラブにもかかわらず順位が沈んでいるクラブについては、関連する別の法人に収入を取り込んでいる可能性があります。
その他収入
その他収入ランキング(単位:百万円)
(出所:Jリーグ開示資料より当ブログ作成)
Jリーグにおいて開示される損益計算書の「その他収入」は、「その他」であるものの、中身は無視できません。Jリーグ経営ガイドによると、その他収入の内容は①賞金、②移籍金収入、③サプライヤー契約収入 、④ファンクラブ・後援会収入 、⑤イベント出演料 、⑥その他、になります。特に②〜④については、クラブの経営力を示す重要な収入かと思いますので、上述の項目はさらに内訳まで開示してほしいです。
それにしても琉球の10億の内容は何でしょうね?
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