剣ヶ峰に立つDAZN。やっぱり厳しかった。

DAZNはJリーグ再開の大前提

Jリーグが再開しました。

今日もDAZNでJリーグを楽しく観戦しています。

再開にあたって、世論的に自粛の雰囲気も強い中、with コロナを前提とした再開に至ったわけですが、その最大の一つが再開しないとクラブもクラブを支援するJリーグも維持できないという判断をしたからだと理解しています。無観客試合でも再開する理由が、各チームにとってみればスポンサー収入の確保(試合での露出があってこその広告出稿の役務が成立)、そしてJリーグにとってはDAZNからの放映権料の確保だと考えています。

DAZNからの放映権料は、Jリーグからクラブへの分担金として収益の基礎的な部分を担うとともに、財政危機に陥ったチームに対するセーフティネットとして機能するための原資です。このため、開示されているJリーグの村井チェアマンの会見においても、DAZNからの放映権料の支払いに関し、心配はいらない旨を話しているものの、デリケートにやりとりが進められていることが感じられました。恐らく、「試合をやるならきちんと放映権料を払う」という握りがあったのかなと考えていました。

Financial Times記事

そうした中、そのJリーグが分担金の原資となる放映権料を支払うDAZNについて、Financial Timesで、DAZNについて報じられていた5/23付記事を見つけたのでご紹介させていただきます。「Sports streaming group DAZN seeks cash to help secure future」という記事なのですが、「DAZNは未来を守るためにキャッシュを求める」とでも訳せば良いでしょうか。恥ずかしながら、全部ではありませんが、記事の大体の部分を訳します(少々の誤訳ご容赦下さい。大きく違うものあればメッセージを頂ければ幸いですm(_ _)m)。

Online sports group DAZN is racing to secure its financial future, with billionaire owner Len Blavatnik exploring options to raise money for a business hard hit by the pandemic.

オンラインスポーツグループのDAZNは未来を守ろうとしており、大富豪のレン・ブラヴァトニク氏(オーナー)は、パンデミックによって大打撃を受けたビジネスのために、資金調達の手段を探っている。

と記載しており、DAZNもしんどくて、お金が必要な状況になっていると報じられています。

そして、気になるというか、そういうこともあるだろうなというのが、以下の文章になっています。

The global suspension of sports fixtures during the pandemic has seen some subscribers pause monthly payments. DAZN has also sought to defer payments it owes to sports leagues, citing the lack of live action.

パンデミックの期間における、スポーツ大会の世界的な延期により、一部の契約者が支払いを止めている。DAZNはスポーツリーグらに対し、大会が行われていないために、定められた支払を延期しようとしている。

村井チェアマンのゴーサインはやっぱりここからきているのではないかと思います。

最悪、身売りの可能性も

Mr Blavatnik is exploring ways to inject new money into the lossmaking business, according to several people familiar with the talks, with the sale of an equity stake in the business the preferred option. However, an outright sale would also be considered, the people said.

幾人かの詳しい人によると、ブラバトニク氏は一部の株式を売却することを好ましい選択肢として、その赤字ビジネスにニューマネー(新規の資金)を導入する方法を模索している。しかしながら、完全売却も検討されているかもしれないとそれらの人々は話している。

身売りの可能性もありとのことです。そして、ここは次の電通のくだりはちょっとした驚きでした。

Just two years ago, the company was valued at £3bn when it sold a 10 per cent stake to Japanese advertising giant Dentsu for £300m. People familiar with its business said it is currently unlikely to reach a similar valuation.

ちょうど2年前、DAZNは30億ポンド(役4,050億円)と評価され、10%の株を電通に300万ポンドで売却した。そのビジネスに詳しい筋は、現在は同じような評価に至らないだろうと言っている。

確かにそれは想像できます。そして、しんどい話が続きます。

Research group Enders Analysis has estimated DAZN’s financial commitments on securing sports rights total at least £3.7bn.

In recent weeks, the group has approached big media companies over a potential investment, including John Malone’s Liberty Global, but as yet has received little interest in a deal, according to people familiar with the talks.
The company has sought to challenge established sports broadcasters, from ESPN in the US and Sky in Europe. Among DAZN’s biggest deals are the domestic screening rights for the Bundesliga, Germany’s top-flight football league, and Serie A, Italy’s equivalent. It also has contracts with the promoters behind boxers such as Britain’s Anthony Joshua and Mexico’s Saul ‘Canelo’ Alvarez.

Enders Analysisという調査会社が見込むに、スポーツの権利を確保するのに少なくとも37億ポンド(約5,000億円)の債務(支払義務)がある。

詳しい筋によると、ここ数週間、DAZNは投資の可能性をめぐって、John Malone’s Liberty Globalを含む大メディア会社にアプローチしたが、ディールへの関心はほとんどなかった。DAZNはアメリカのESPNと欧州のSkyなどの放送局にもアプローチしている。DAZNの特に大きなディール(確保した権利)はブンデスリーガとセリエAである。また、イギリスのアントニージョシュアとメキシコのサウル・カネロ・アルバレスのプロモーターとの契約もある。

Simon Denyerという最高経営責任者は、4月に以下のようなメッセージを社員に送ったそうです。

“[This] is the biggest disaster to hit the sports world in 75 years and the biggest challenge our business has ever faced,”

これは、75年間でスポーツに訪れた最大の災害であり、これまで我々のビジネスが直面した中で最大のチャレンジである。

確かに社長としては、社員を鼓舞するために必要なことではありますが、一方でダメになってしまう会社のあるある的な感じで心配です。

In 2019, DAZN Group sold its Perform division to US fund Vista Equity Partners.
The sale of the Perform content business to Vista, which owns Stats, a rival sports statistics group, was seen as an effort to focus on the DAZN sports streaming service but also allowed Mr Blavatnik to recoup some of the money he had invested in the business.

DAZNグループはパーフォーム部門をビスタ・エクイティ・パートナーズに売却した。

パーフォームのコンテントビジネスをライバルであるスポーツ統計部門である「スタッツ」を保有するビスタへ売却することは、DAZNがスポーツストリーミングサービスに注力するための取り組みと見られたが、同時にブラバトニク氏が一部の投資した資金の回収も可能にした。

DAZNの所有だったGoal.comも売却されました。この売却もこの流れだったのでしょうか。

ゴールドマンを通じ資金調達に取り組んでいたが今後いかに

The group hired Goldman Sachs last year, seeking to raise $500m, according to people familiar with the terms, but paused that effort at the start of the pandemic.
“They are at a crossroads as a business,” said a leading executive at a rival broadcast group said. “If it succeeds, it’ll be a great story. If it fails, then it’ll be a story of a trying to disrupt the [sports broadcasting] industry too soon.”
DAZN and Access Industries declined to comment.

詳しい筋によると、DAZNは500万ドル(535億円)の調達のために昨年ゴールドマン・サックスを雇ったが、パンデミックの開始によりその取り組みは止まっている。
同業者によれば、「彼らはビジネスの岐路にいる。もし、それがうまくいけば偉大な話であり、うまくいかなければ、スポーツ放送業界が間も無く崩壊する辛い話になる」

DAZNとアクセス インダストリー(DAZNを買収したブラヴァトニク氏の会社)はコメントを拒否している。

ちょっと恐ろしい話です。目先も大事ですが、JリーグにはプランBも求められているようです。

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