Jリーグは我が国において、プロ野球と並ぶ人気プロスポーツですが、スポーツそのものだけでなく、開示情報からチームの浮き沈みを見ることも楽しめます。
本ブログでは、リーグやチームによる開示情報を使いながら、Jリーグを「ああでもない」、「こうでもない」というのを楽しんでいければと思っています。
第一回の今回は、現時点で最新の経営開示情報である「2018年クラブ経営開示情報」から「ああでもない」、「こうでもない」をしていきたいと(何回かにわたって続きます)。
Jリーグが各チームの経営開示を行うのは、各チームに財務的な健全性を求めることが背景だと推察します。様々な関係者から財務状況のチェックが行われることにより、横浜フリューゲルス消滅のような事態発生を回避することを担保したいということだと理解しています。
この毎年リリースされる「経営開示情報」は年々開示範囲が高まっており、これを吟味することでチームの状況を一つの角度から知ることができます。端的にいうと、海外のメガクラブをみてわかるように概ねチームの力は財務体力に比例しており、その水準からチームの全体としての力を図ることができ、その経緯から成長しているのか、衰退しているのかを見ることができます。
資料で示されている「トピックス」を確認しましょう。
<主なトピックス>
- J1・J2・J3合計の事業規模は、1,200億円を超えた(前期比約13.7%増加する)
- 前期と比べ、営業収益が約151億円増加 (2011年以降、8年連続増加)し、過去最高を更新。 営業費用も約141億円増え、均衡して拡大
- ヴィッセル神戸はJリーグ史上最高営業収益96.6億円を達成 ※これまでの最高額である2017年度の浦和レッズの79.7億円の営業収益を超えた
- 39クラブで前年より営業収益が増加。うち、17クラブが平均以上の成長率を記録した。
- 増加した営業収益については、チーム人件費に最も充当されている。 販売費と一般管理費も相対的に高い比率を占めた。
- 2015年度からJ1・J2・J3全てのカテゴリにおいて3期連続赤字及び債務超過のクラブがない状況が続いて いたが、FC琉球において3期連続赤字が発生(※但し、財務基準には抵触せず)
次回以降、個別のトピックスを考えてみたいと思います。
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