首の皮1枚繋がったFC琉球〜2018年度クラブ経営開示情報を読んでみた(6)〜

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今回も、2018年度クラブ経営情報開示資料をみていきます。今回はFC琉球のライセンスの話です。

FC琉球に3期連続の赤字が発生しています。ここ3期に亘ってFC琉球の当期純利益(純損失)は、2016年度 -1億2700万円、2017年度 -7700万円、2018年度 -4800万円でした。これは、以下のライセンス財務基準のうち、2017年までであれば①に該当し、Jリーグのライセンスの不交付となるものでした。

<旧基準>※簡略化して書いています

①3期連続で当期純損失を計上した場合 

②債務超過の場合

③Jリーグからの指摘に基づき、過年度の決算を修正した結果、 前2号に示す事態となった場合

しかしながら、①の基準は改定され、以下の通りとなりました。

<新基準>※①以外、簡略化して書いています

①3期以上連続で当期純損失を計上した場合 ※ただし、 ライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度末日 現在の純資産残高がライセンスを申請した日の属する事 業年度の前年度の当期純損失の額の絶対値を上回っている場合は本項目に該当しないものとみなす) 

②債務超過の場合

③Jリーグからの指摘に基づき、過年度の決算を修正した結果、 前2号に示す事態となった場合

簡単に言えば、3期以上連続で赤字であっても、債務超過でなければ良いというものです。実際、FC琉球の2019年1月期の財務諸表をみると以下の通りです。資産超過5000万円となり、首の皮1枚つながりました。

FC琉球としては、まだ発表されていない2020年1月期において、今の資本金額だと5000万円より大きな赤字となるとアウトです。このため、2020年1月期は黒字を計上する、又は赤字から純資産額5000万円を除いた額以上の増資が必須になります。

なお、資料によると2期以上連続赤字クラブは4クラブになったとのこと。調べてみると、琉球以外は新潟、山口、YSCC。でした。YSCCについては2019年1月期末において、純資産額が200万円しかないため、完全にリーチがかかっています。

今年度はのJリーグは、ご存知の通りコロナウイルス問題のため、予定通りの開催が行われていません。現在、Jリーグとしては各クラブの資金繰り等の支援を検討しているようですが、それが解決した次の段階として、このライセンス基準の運用方針に関しても何かしらの決定をせざるを得ないでしょう(特例、救済措置を出さざるを得ないと思われます)。

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