デロイトUKが考えるフットボールビジネス 2020/21シーズンとその先

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個人体験

スタジアム体験は加速する

コロナ禍が終わった後のスタジアム体験における、デジタル技術の果たす役割についても触れられています。

スタジアム体験において、ファンが長い間スタジアムにとどまりたいと思うかはとても重要なポイントです。それにより、ファンにもっと長い時間スタジアム近辺に留まってもらい、消費を増やしてもらい、また来てもらうということが重要です。このために、容易に座る場所を見つけることが出来、グッズ、食べ物、及び飲み物などの買い物をストレスなく出来るスタジアムの環境を作り出すことが寄与するものと見込んでいます。

また、ソーシャルディスタンスの要請による不都合を補うためにも、デジタル技術の利用に拍車が掛かると見られます。チケットサービス、駐車場、及びキャッシュレスサービスなどでコンタクトレス技術を利用することが考えられます。また、列に並ぶ時間を計測し、適正化したり、または席への配達などに使われることもありそうです。

家庭体験も加速する

家庭でのライブ体験もより発展するものと見られています。他のスポーツですが、テニスのシュローダー バトルオブブリッツトーナメントでは、コートチェンジの際にヘッドセットをつけてコメンテーターと選手が話すというものがあったそうです。

また、友達と一緒に試合観戦の擬似体験する実験も進められている模様です。どんな事例があるのかなと検索してみたら、日本に面白い事例がありました。横浜ベイスターズです。KDDIの協力により、横浜スタジアムにバーチャルに観戦に訪れることができるという実験があったそうです。これもJリーグでやってもらいたいですね。

なお、これらの試みはクラブが著作権上の権限を有することが前提になると書かれています。

新しいトレンド。新しい収益を生むイノベーション

試合開催がない可能性を勘案すると、試合開催以外の収入に力を入れる動きに拍車がかかるかもしれません。コロナは新アイデアとイノベーションのきっかけとなります。

デロイトのデジタルメディアトレンドサーベイによると、コロナ前の時点で25%の消費者が録画や他のビデオゲームズを毎週見ているそうです。ミレニアムやジェネレーションZであれば50%です。コロナ禍が始まってからも、ハウツーもののビデオ、ゲームのリアルタイム放映、プロゲーマー、アスリートによる競技のライブ放映、そしてeスポーツの大会など、変わらず人気があります。

更に、プレミアリーグは、ロックダウンの間にeプレミアリーグを立ち上げました。ニールセンスポーツによると、アレクサンダーアーノルドとディオゴジョッタによる決勝は、フェイスブックで300万人、youtube394,000人の視聴者を集めました。視聴率は開幕戦からファイナルにかけて275%上昇した。このようなビデオゲームの中で、プレーし、視聴し、交流をすることは、ロックダウンが緩和しても広がっていくと見られます。

ロックダウン中、サッカークラブはファンベースと広範囲なコミュニティをニューノーマルに適応させることを促すためにクラブのブランドを使いました。例えば、プレミアリーグやトッテナムは、それぞれ”Premier League’s Primary Stars” と”School of Spurs“という子供の自宅学習のためのプログラムを立ち上げました。リバプールのコンディショニングコーチによる”LFC Home Workouts“やナイキとのコラボレーションである “Chelsea’s 20 minute videos”を配信しています。特に、前者はシリーズ化して何本も投稿されています。

自宅学習のプログラムは良いと思います。緊急事態宣言中、内田篤人さんは「子供は勉強しなさい」と言っていました。

ワークアウトの動画などは、昨年の緊急事態宣言中、Jリーグのチームからの配信があったような気もしますが、ここで紹介されている事例はさらに企画として練り込んであります。

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まとめ

コロナ禍の破壊的なインパクトはビジネスモデルの再評価とデジタルトランスフォーメーションのニーズを如実にしました。

お手本はビジネスの世界にあるとデロイトは記しています。そして、アマゾンやネットフリックスなどの成功事例、データ、顧客を知ること、そして彼らにどのように照準を合わせるかが、先述の各項のポイントです。ファン層や彼らのそれぞれの個性を理解することにより、スタジアム体験と家庭体験を最もうまく発展させる方法をクラブは理解し、他の収益源を開拓することにつながるだろうとしています。

それを踏まえてJリーグはどうかと考えると、Jリーグのクラブは「地域のため」や「夢」など、理念が重視され発展してきた側面は大きいと思います。しかしながら、コロナ禍という厳しい経済環境の中、お金を稼ぐため、一般企業が戦う土俵に引きずり出された印象です。しかしながら、すでに世界のクラブはかねてからその前提で運営されており、Jリーグクラブにも現実的な目線が加わることにより、一企業としてのクラブの成長につながると考えています。

そして、確かにデロイトの言うように、デジタル分野がコロナのインパクトに対する突破口になると思います。恐らく、各クラブは余裕がなく手が回らないと言うのが実情な気がしますが、テック系企業を親会社として有する鹿島、川崎、町田あたりから面白い試みが始まればいいなと思っています。

 

 

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