Jリーグは健闘:欧州中堅リーグとの収益比較

スポンサーリンク
スポンサーリンク

各国の事情

各国個別の事情も見てみましょう。それぞれの事情も興味深いところです。

ロシア

ロシアはヨーロッパで6番目のリーグです。
リーグは2019/20では、Youtubeを通じた国際配信(有料)の契約を締結しました。リーグ活性化のためにチームを16から18に増やす予定です。

トルコ

トルコのスュペル・リグは前期比2%収入が増えました。
経済の不振と不安定な通貨の影響を受けた模様です。
しかしながら、放送契約の新しいサイクルが始まったことと、好調な入場料収入により、比較各国と比べて高い水準の収入を維持しています。各クラブがスタジアムの改修に取り組んでおり、また、家族連れの観戦を後押しするなどの国家的な取り組みも功を奏している模様です。

ポルトガル

ポルトガルのプリメーラ・リーガでは、全体で前期比2%の増収となりました。
ベンフィカ、ポルト、スポルティングによる入場料収入増収とUEFAの国際大会での成績に伴う配分金が牽引しました。三大クラブへの収入の集中化が加速している模様です。

オランダ

オランダリーグは前期比で収入が20%増加しているのですが、この主因はアヤックスがチャンピオンズリーグ準決勝に進出し、約100億円増収したことによるものです。このため、オランダの数値は例年はもう少し低い水準のようです。
あくまでも収入の面だけではありますが、Jリーグの規模がオランダのリーグより大きいと言うのは感慨深いものがあります。不勉強な私には意外でしたが、よく考えると、人口規模で考えると、こういうものなのかもしれないと思いました。オランダ最大の都市アムステルダムで人口100万人で、仙台や札幌と同じような規模です。そして、第二の都市ロッテルダム(フェイエノールトとスパルタがあります)で50万人で神奈川出身の私の印象としては、藤沢や横須賀に毛が生えた程度です。そしてPSVのあるアイントホーフェンが22万人、AZのあるアルクマールも24万人で、大和、厚木、茅ヶ崎くらいのサイズです。

ベルギー

ベルギーのジュピラー・プロリーグのクラブは前期比16%の増収となりました。
ベルギーのクラブがUEFAの大会にて2017/18シーズンと比べ好成績を収めたため、放映権収入が32%も増収しました。
2020/2021シーズンでは、国内及び国際放映権(5年契約)の入札が予定されており、25%以上の放映権収入増収が見込まれています(原典作成当時)。

オーストリア

オーストリア・ブンデスリーガでは、2018/19シーズンの総収入が前期比45%も増えました。その最大の要因は、リーグのチーム数を10から12に増やしたことです。その上で、2018/19に始まった新しい放映権サイクルが始まったことが大きく寄与しています。そして、放映権保有者が、2022/23シーズンには更に20%増収する予定です(原典発表当時)。

スコットランド

スコットランドでは、2018/19シーズンは前期比3%増収しました。
これは、セルティックとレンジャーズがヨーロッパリーグに進出したことに伴い、入場料収入と商業収入が増えたためです。
スコットランド・プレミアリーグでは、入場料収入が4シーズン連続で増加し、総収入の48%を占めます。スコットランド・プレミアリーグの放映権も2020/21シーズンからの新契約により20%増える見通しです。

デンマーク、ポーランド、ノルウェー、スウェーデン

2018/19シーズンは、これらの国からは、チャンピオンズリーグ及びヨーロッパリーグに進出できたクラブはありません。
このため、UEFAからの配分はありませんでした。このため、例えばデニッシュ・スーパーリーガ(デンマークでは2021/22から2023/24シーズンまでの放映権の販売をまとめました。また、ポリッシュ・エクストラクラサ(ポーランド)は2020/21に自らオンラインの配信プラットフォームを立ち上げるなど、増収のための取り組みを行っています
スポンサーリンク

最後に

前回投稿の5大リーグとJリーグとの比較と合わせて考えてみると、収益面でのヨーロッパのリーグとの差は放映権収入の増額トレンドを作り出すこと、そして国際大会の賞金のようです。放映権収入については、特に5大リーグでは、国内だけでなく、海外への販売が大きなポイントとなっています。このため、Jリーグがさらに伸びていくためには、海外という視点を持つことが必須な環境になってきたのではないかと思います。
また、もう一つ気になるのは、各国のビッグクラブへの収入の集中化で、各国リーグがその解消のための努力をしています。
これを踏まえると、ビッグクラブを誕生させるという理念でのJリーグ配分金の考え方が良いのかなという疑問が沸くところです。短期的にはACLで勝てるチームを作るのは重要なことかと思いますが、どこが優勝するかわからないというJリーグの特長をいかに守るかという視点は重要なのではないかと思うようになりました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました