<Jリーグ全チーム>2019シーズン決算各種ランキング

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チーム人件費ランキング

人件費の平均を先に記しておくと、2019シーズンはJ1平均が2,500百万円、J2平均が765百万円、J3平均が202百万円です。

個別のチーム人件費については、1位神戸が突出しています。しかしながら、チーム人件費のうち、イニエスタ(推定30億円)、ポドルスキ(推定6億円)、フェルマーレン(推定5億円)、サンペール(推定1億円)などの年俸も差っ引き、日本人選手だけで見ると、3,000百万円弱ではないでしょうか。一般的な上位チームの人件費水準と言えそうです。

2位の人件費を費やした名古屋はリーグ成績は13位でした。名古屋の人件費は2018シーズン(J1 15位)は2,823百万円、2017シーズン(J2 3位)は1,843百万円、2016シーズン(J1 16位)は1,984百万円でしたので、数年前と比べたら2倍になっています。仮に今期も同じくらいの額を投じるのであれば、より上位の成績が期待されます。

その他だと、5位柏の人件費が目を引きます。前期の柏は2チームを作れるくらい補強をしたという話を耳にしたことがありますが、J1に必ず復帰するという強い意志がこと数字から見て取れます。

そして、カテゴリの水準からみて、少ないことが目立つのは25位大分及び43位琉球です。それぞれJ2及びJ3カテゴリ並みの人件費で、現状のカテゴリにおいてしっかりと成績を出しています。

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売上高人件費率ランキング

人件費ランキングの流れで、人件費率のランキングも作成しました。2019シーズンはJ1平均が50%J2平均が46%J3平均が28%です。カテゴリが下がると共にその水準が下がるのは、人件費以上に企業としての運営のための一般管理費等が優先されるためではないかと考えます。とりあえずは、J3はさて置き、クラブ運営上は人件費率は50%を基準に見れば良いのかなと思います。

アグレッシブに人件費を投じる50%以上のクラブに目をやってみましょう。1位の鳥栖は他の稿に譲ります。鳥栖と同じく9割を超える人件費率の2位柏も異例です。しかしながら、先述のように、赤字も構わず必ず翌期にJ1に復帰するというなり振り構わない決意を金額以上に感じる数値です。

3位セレッソについては、「関連する法人(アカデミーなどサッカー及びその他 関連する事業を運営する法人)の営業収益」で別枠の営業収益として2,146百万円を計上しています。そもそも、詳細な実態が私にはわからないため、控除していますが、これを加味すると人件費率は40%となります。2018シーズンより開示され始めた、この関連する法人の営業収益の位置付けは判断し難いところですが、前年の数値も同水準(人件費率60%、関連する法人の営業収益を勘案した人件費率38%)でしたので、セレッソとしては例年平常運転としてこのような運営方法を採用しているのだと思います。

4位神戸については、イニエスタの人件費を30億円として控除し、そのための減資として恐らく楽天から入っている30億円を営業収益から控除すると46%になります。

最後に、最下位YS横浜の15.7%というのが気になります。営業収益が最下位であるにもかかわらず、人件費率も桁違いに低い水準となれば、どのような給料が支払われているのかとびっくりです。一応、今期の登録選手数が27名、監督及びコーチが3名、これを前期並みの32百万円を分配すると、年俸平均が106万円です。どうなっているのでしょうか??

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自己資本比率ランキング

最後に自己資本比率です。自己資本比率とは、貸借対照表で見る会社の安全性を示す指標です。何%あればいいのかという絶対的な数値はないですが、業界ごとに概ねの水準があったりします。2019シーズンの自己資本比率の平均は31%でした。J1リーグでは更に5%高い水準が平均ですが、概ね3割が業界水準と考えて良さそうです。この結果、及び世間一般の水準と掛け合わせて、独断に基づいて考えると、30%以上:財務状況に特段の懸念は発生していない(この区分の数字の違いはクラブ毎の財務方針に依る)、②20%30%:懸念が直ちに生じていないものの注視、③10%20%:黄色信号。財政状況の改善が望まれる、④10%以下:オレンジ信号。何かの拍子で経営危機が表面化する可能性あり、という目線で良いのかなと考えています。但し、親会社のあるクラブは必ずしもこの区分分けに該当せず、親会社の信用力と合わせて検討するものと考えています。

まず、20%以下を中心に見ていくと、まず気になるのは42位湘南でしょうか。湘南はライザップが親会社ですが、経営が揺らいでいます。この辺含めて、今走っている今期のコロナ禍を踏まえた決算後に動きがあるかもしれません。

そして、財務問題とは別になりますが、シティグループとの提携を終えるという報道のあった48位マリノスにも注目です。シティがいなくなった後の日産自体がコロナによるリストラモードですので、次の方針を注目したいところです。

50位横浜FCは小野寺グループというところが親会社です。非上場であるため情報が少ないものの、HPによると売上はグループで943億円ある模様です。給食や外食が主力事業とみられ、コロナ禍の本業への影響が相対的に大きい業態と見られます。他のクラブと同様にコロナ禍後も支えられるかが注目されます。個人的にはオーナーのクラブへのコミットが強いように見えるため、なんとか出来るのではないかと思いますが。

49位鳥栖は先述の通りです。

最後に親会社のないチームとしての最下位の鳥取は心配です。J2、J3で長年のチームとしての積み上げがありますが、財務状況としては積み上げに繋がっていない模様です。但し、長年のチームとしての活動は、コアなファンや地縁などを構築していると思いますので、経営としての今後の立ち回りに関心が持たれるところです。

◆続報

2020シーズン版ランキングも作成しました!

 

 

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