Jリーグは健闘:欧州中堅リーグとの収益比較

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欧州中堅リーグとの収益比較ならJリーグはどうなのか

前回投稿にてJリーグと欧州5大リーグの収益構造の比較を行いましたが、個人的にはこちらの方に関心を持っておりました。あまりに想像がつかないため、どのようなものだろうと思ったからです。
欧州5大リーグとの比較の際と同じく、デロイトの「Annual Review of Finance 2020」のデータを使ってJリーグと欧州中堅リーグとの総収入、スポンサー/商業収入、入場料収入の比較を行います。
とても興味深い結果でした。
※データについては、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ロシア、トルコは2018シーズンの数値。デンマーク、スウェーデンは2019年12月の数値。Jリーグは2019シーズンの数値を採用しています。

総収入の比較

上図は、欧州5大リーグ以外のデロイトUKがnon “big-five”として抽出したリーグとの総収入の比較です。
率直に言って「Jリーグすごいじゃん」と言うのが第一印象です。
これら比較対象のリーグの中では、総収入はロシア、トルコに次いで3位です。しかも、オランダより上です。
ミキッチがかつて、「なぜ日本の若い選手は外国のリーグに行きたがるのかわからない」と言っていたようですが、この数字だけ見ると、欧州5大リーグへの移籍でなければ、ミキッチの言葉に一理あると思いました。
一点留意すべきはリーグによってクラブ数が異なることです。今回取り上げたリーグのチーム数は以下の通りで、留意して頂ければと思います。
 国 クラブ数
ロシア 16
トルコ 18
オランダ 18
ポルトガル 18
ベルギー 16
オーストリア 12
スコットランド 12
デンマーク 14
ノルウェー 16
スウェーデン 16
ポーランド 16
J1 18
スコットランドはオーストリアと並んで12でクラブ数が少ないです。個人的には、中村俊輔がスコットランドで活躍していたとき、いつも同じようなチームと試合をしている印象がありましたが、こういうことなんですね。ロシアやベルギーなどクラブ数が18に満たないリーグはまだ拡大のポテンシャルがありそうです。

スポンサー/商業収入の比較

スポンサー/商業収入ではJリーグとロシアがツートップです。
このグラフの国々を見回すと、世界的な企業がいくつ思い浮かぶかなあと言う感じです。そうした点で見ると、やはり日本は世界的な企業が多いという経済の厚みを感じます(念の為、私は、「Youは何しに日本へ」的な推しをする考えはありません)。
日本と数字が並ぶロシアは石油関係の企業が多いのではないでしょうか。

入場料収入の比較

入場料収入については、J1がスコットランドとツートップ、そしてオランダが続きます。
スコットランドの収入が多いのは、チーム数が12しかないことを考えると、頑張っていると言えるのではないでしょうか。しかしながら、物価や平均のチケット価格が押し上げている面もありそうです。
また、総じて言うと、寒い国は伸び悩んでいる印象です。Jリーグの秋春制の議論が行われる時、「ヨーロッパのスタジアムは座席にヒーターが・・・」という話も出ることもありますが、やはり寒いものは寒いんでしょう。また、冷静に考えれば地方クラブがヒーターを設置するお金を持っているはずはありません。しかし、これはこれで興味深い数値です。

放映権収入の比較

5大リーグとの比較にて、最も大きな差となった放映権収入ですが、北欧諸国、ポーランド、スコットランドには勝るものの、トルコやポルトガル等と比較すると大きく水を開けられています。
オランダの放映権の収入額が低いですが、オランダについては「その他」のカテゴリーの収入が多いため(総収入の38%、283億円)、リーグが他と違う収入の管理や取り扱いをしているような気がします。
いずれにせよ、DAZNとの大型契約を取り纏めたJリーグですが、他のリーグとの比較でいえば、引き続き放映権収入を伸長させることが大きなテーマとなるのではないでしょうか。

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